政策

01 看護職を支える政策で、より質の高い医療へ

看護職の働きに見合った処遇と評価を

看護職の賃金は、20代前半では産業平均よりやや高い一方、30代以降に逆転し、40代前半では約7万円の差が生じます。看護職が安心して働き続けられるよう、賃金をはじめとする処遇の改善、キャリアに応じた評価制度の整備を進めます。

安心して働ける看護の現場を守るために

看護職を守るため、ハラスメント対策を徹底します。2025年6月に成立したカスタマーハラスメントに関する法案の確実な施行により、現場の安全と働きやすさを確保します。

夜勤に見合う評価と働き方を

夜勤人員を確保するため、夜勤手当の充実により負担に見合った処遇を整えます。あわせて、短時間夜勤や選択制シフトなど多様な働き方を導入し、身体的・精神的な夜勤負担を軽減。無理なく夜勤を担える環境を整えます。

現場を守る、持続可能な看護体制

日本の急性期の看護配置はOECD30位と少なく、業務量に見合っていません。医療依存度の高まりで療養病床も逼迫し、休憩確保も困難に。平時から余裕ある人員配置を整え、有事にも対応できる体制を整備します。

02 医療安全を強化し、誰もが安心できる医療へ

医療安全をサステイナブルに

医療安全を持続可能にするには、事故を防ぐ仕組みづくりだけでなく、人員・働き方・教育を継続的に整え、現場が無理なく安全を守り続けられる環境をつくることが不可欠です。制度と現場を両輪で支える体制が必要です。

伝わる記録で、よりよい医療を

医療安全を高めるには、看護記録を誰が見てもわかるものにし、情報の抜け落ちや認識差を防ぐことが重要です。情報共有がうまく進めばチーム医療も円滑になり、事故防止や迅速な対応につながります。

医療紛争の裁判によらない解決手続きの確立と普及

医療事故は必ずしも対立を望むものではなく、多くは説明や対話を求めています。裁判に頼らず解決できる医療ADRの活用と制度改善を進め、双方の負担を減らす仕組みを整えます。再発防止にも取り組みます。

03 妊娠・出産・産後・子育てをまるごと支える

妊娠から産後まで切れ目ない安心サポート

妊娠期から産後まで切れ目ない安心を届けるため、助産師による継続的な関わりを強化します。助産師外来や院内助産を充実させ、身近に相談できる体制を整え、出産・子育ての不安を減らします。

産後ケアを、誰もが利用できる仕組みに

産後ケア事業を推進し、出産後の心身の回復と育児不安を支えます。助産師や看護職による宿泊・訪問・通所型支援を充実。あわせて運営支援や人材確保を進め、経営面にも配慮することで、すべての人が継続的に利用できる体制を整えます。

「小1」の壁が生じないように放課後児童クラブの質と量の拡充

放課後児童クラブ(学童)の量と質を拡充し、待機児童の解消を進めます。支援員の処遇改善や安全基準の強化により、子どもが安心して過ごせる環境を整え、働く親が安心して働ける社会を目指します。

病児・病後児保育施設など多様な保育の受け皿の整備

病児・病後児保育は施設数や人材不足、地域差が大きな課題です。看護師・保育士の確保や処遇改善、運営費支援を強化します。医療機関や地域と連携し、必要なときに確実に使える受け皿を全国に広げます。

子ども・子育てDXの推進

妊娠届出から出産、保育・学童、健診・予防接種までの情報をデジタルでつなぎ、切れ目ない支援を実現。保護者の申請や手続きを簡素化し、自治体間の格差も是正します。医療・福祉・教育が連携することで、支援が必要な家庭を早期に把握し、誰一人取り残さない子育て支援体制を構築します。

04 在宅・地域で質の高い医療・看護が受けられる社会へ

訪問看護の体制強化と適切な評価

日本の医療提供体制は、病院完結型から地域完結型へ。

ご自宅で安心して療養できるよう、訪問看護の体制を強化します。人材確保と研修支援を進め、24時間対応や医療依存度の高いケースを適切に評価。ハラスメント対策を推進するとともに、持続可能な報酬制度を整えます。

看護小規模多機能型居宅介護で支える、医療と生活をつなぐ在宅ケア

看多機を推進し、通い・泊まり・訪問看護を一体で提供します。医療と生活を切れ目なく支えることで、在宅療養の安心を高め、家族の介護負担を軽減します。地域で暮らし続けられる体制を整えます。

病院と在宅をつなぐ、訪問看護DX

医療DXを推進しデジタル基盤を整え、訪問看護の情報共有を強化します。退院時情報や看護記録を連携し、切れ目ない支援を実現。重複業務を減らし、医療の質と在宅療養の安心を高めます。

人生の最期を、自分で選べる社会へ

終末期医療において本人の意思が尊重されるように法律を作ります。事前指示やACPを推進し、本人の選択を医療・介護現場で共有できる仕組みを整えます。尊厳を守り、誰もが望むかたちで最期を迎えられる社会を実現します。

05 デジタル化で看護・医療の負担を減らし、サービスの質を上げる

書くべきことに集中する、看護記録改革

看護記録・書類業務をスリム化。診療報酬関連の記録を見直し、本来必要な情報をきちんと残す仕組みに転換。看護の専門性を発揮できる時間を現場に取り戻します。

デジタル活用で、時間を「患者さんのために」使える現場へ

デジタル活用で看護業務を効率化し業務負担を軽減します。音声入力、バイタルの自動連携、情報共有の一本化により重複を削減。申し送りや連絡もICTを活用し、業務負担を軽減します。患者さんに向き合う時間を現場に取り戻します。

06 すべての人が安心して暮らせる社会を法の力で

被害者に寄り添う支援の充実

被害者支援は、被害を受けた直後から回復まで切れ目なく続くことが重要です。相談、医療、心のケア、法的支援が連携し、必要な支援につながる仕組みを整えます。一人で抱え込まず、安心して次の一歩を踏み出せる社会を目指します。

透明で信頼される刑事司法へ

刑事司法は、国民の安全と信頼を支える重要な制度です。取調べの可視化を進め、手続の透明性と公正さを高めることで、冤罪や人権侵害を防ぎます。真実に基づく捜査と判断が行われ、人権に配慮した、誰もが納得できる刑事司法を目指します。

身近で頼れる司法へ

法律や手続が難しく、相談をためらうことがないよう、分かりやすく、相談しやすい仕組みづくりを進めます。法テラスは、支援が必要な人ほど制度の分かりにくさや基準の壁に直面。弁護士側の負担増や見合わない報酬により担い手も減少。相談から解決まで、切れ目なく支えられる仕組みへの改善が必要です。

07 女性と子どもの声を、社会の力に

続けたい想いを、社会で支える

看護職を含む女性が出産や育児、介護と両立しながらキャリアを継続できるよう、柔軟な働き方や復職支援、評価制度を整えます。ライフステージに左右されず専門性を発揮できる環境をつくります。

女性のライフステージに寄り添う健康支援

女性の生涯にわたる健康支援を強化します。思春期から妊娠・出産、更年期まで切れ目なく相談・支援できる体制を整備。職場や地域での理解を深め、健康課題がキャリアや生活の妨げとならない社会を実現します。

子どもが守られていると感じられる社会へ

子どもの声にそっと寄り添い、権利を守るため、子ども権利擁護センターを。困りごとを安心して相談でき、必要に応じて第三者が支援につなぐ仕組みを整え、子どもが一人で抱え込まない社会を目指します。

離婚後も、子どもの笑顔を守るために

離婚後も、子どもの安心と成長が最優先される社会を目指します。親の事情によって生活や学びが不安定にならないよう、養育費の確保や面会交流の環境整備、相談・支援体制の充実を進めます。子どもの立場に立った切れ目のない支援を整えます。